Harmonaizer
ハーモナイザ―
守り×柔軟
ハーモナイザータイプは、調和と協力を重視し、メンバー間の関係性を大切にします。柔軟な姿勢で他者の意見を尊重し、フラットなコミュニティ運営を心掛けます。
ハーモナイザ―の座右の銘は「みんな違っていい」です。
コミュニティやチームの中で、異なる意見や価値観を調整し、ひとりひとりが満足できる空間を創出してくれます。
ハーモナイザータイプのリーダーは、共感力が高く、メンバー同士のつながりを大事にします。
ハーモナイザ―のコミュニティ
サントリー、カトリック教会(Catholic Church)、日本赤十字社、国際連合
クリエイティブタイプの経営者・リーダー
イエス・キリスト、ダライ・ラマ14世、マザー・テレサ、フランシスコ教皇、モハメッド、リンカーン(第16代大統領)、天皇陛下
文化
雰囲気
ハーモナイザーに志向する人々は、単なるビジネスの成功や損得勘定では満たされない、より崇高な価値観を追求します。ドミナントの力強さ、クリエイティブの自由さ、ノーマライザーの探求心だけでは答えが見つからないと感じる方々にとって、ハーモナイザーは人間愛と調和の精神を基盤に、真の豊かさを見つける道を示します。
- メンバー同士の関係を重視
ハーモナイザーの文化では、メンバー同士のつながりや協力関係が何よりも大切。相互の共感と支援を通じて、全体としての調和を重視する。人間関係の質がコミュニティの基盤であり、その基盤があるからこそビジネスは成功する...という利益至上主義の人からするとトチ狂った倫理観を信じ切るイデオロギーが共有されている。 - ひとりひとりの幸せを応援
ビジネスの成功よりも、個々のメンバーの幸せや成長にフォーカスしています。メンバー一人ひとりの価値観や目標を尊重し、各々が自分らしく生きられるようにサポートすることがミッション。コミュニティ全体の調和と、個人の充実が共存する環境を作り出す。100万円を稼ぐよりも100人からの共感のほうが大事! - 宗教やスピリチュアルな世界観
良い意味で...宗教やスピリチュアルな教義が深く関わっている。確固たる信念や精神的な価値観が、メンバーの行動や選択を導き、精神的な調和と成長がコミュニティの中心に根付いている。イエス・キリストやマザー・テレサのような人物をモデルに、実利的な利益よりも精神的な豊かさを大切にする世界観。
ハーモナイザーの文化は、個人のビジネスの成功よりも、個人の幸せと精神的な充実とお互いの関係です。単なる利益や効率を超えた高潔性と、他者との関係を深め、心からの調和を実現することです。
ビジネスを越えた存在として、個々の幸せと精神的な豊かさに貢献するこのカルチャーは、崇高な使命感を持った人々が集う場です。言ってみれば、ガチの宗教です。
行動指針
ハーモナイザーコミュニティの成功には、指導者と運営者の明確な役割分担が大切です。
- No1-指導者:矢面に立ちコミュニティの象徴的になる。メンバーに精神的な指針を与える
- No2-預言者:裏方の実務に徹する。矢面には立たない(現実主義で実利に徹する)
この2人の役割分担がコミュニティの成功を左右します。特にNo2の預言者が、ビジネスの成功と調和の精神を両立させるように働きかけることで、No1の指導者のキャラがたちます。
指導者の役割
メンバーに対して精神的な影響力を行使することで、コミュニティ全体が一体感を持ち続けられます。指導者は、存在自体が象徴的な力を持ち、自然に人を引き寄せる役割です。その代わり、運営者は自分の得意分野に集中し、コミュニティの運営や拡大に取り組みます。運営者が効率的に運営を進めることで、指導者の権威を最大限に活かし、スムーズな勧誘活動を行います。
運営者の役割
ビジネスやロジックに注力し、実際の運営を支えます。カリスマの権威を適切に利用しつつ、コミュニティの世界観と調和を保ちながら、メンバーが求めるビジネスを超えた価値観を提供するのが彼らの使命です。
重要なのは、カリスマが運営にコミットしてはならないということです。運営に深入りすると、カリスマ性が薄れ、その存在が象徴的でなくなります。運営者とカリスマがしっかり役割を分担し、互いに補完することで、コミュニティは長期的な調和とビジネス的成功の両立を図れるのです。
価値観
このコミュニティの中心にあるのは、個々の成功や利益を超えて、メンバー全員が共感し合い、調和の取れた空間を作り上げるという価値観です。特に注目すべき点は、メンバーひとりひとりが自分の幸せを追求しながらも、周囲とのつながりを大切にする姿勢です。
例えば、Aさんは最初、軽い参加から始めましたが、コミュニティの価値観に共鳴することで徐々に深く関与するようになりました。Aさんは自分のペースで関わりを持ち、他のメンバーと自然な形でつながりを深め、ビジネスの成長と自己実現を両立させています。このように、無理なく居心地の良い環境が整っていることが、ハーモナイザーコミュニティの大きな魅力です。
ハーモナイザーコミュニティは、メンバーが自分自身を高めつつ、他者と協力し合う場として機能し、そのゴールはその場にいる全員の幸せです。
極論をいうなら、30,000円/1日のセミナーに参加をしても、「何を学んだかわからないけれど、また参加したい」と思わせるような共同体を作ることです。ライバルはディズニーリゾートです。
運営
勧誘
原則...自分たちは何もやらずに、他のタイプの人たちにフルアウトソーシングすることで、ハーモナイザ―コミュニティは上手く回ります。
各戦略家の自由
このコミュニティでは、ドミナント戦略、クリエイティブ戦略、ノーマライザー戦略が自由に動くことが許されています。それぞれの戦略家は、自分の特性や得意分野に応じて、独自の勧誘方法を実践できます。
- ドミナント戦略家は、力強く指導力を発揮し、明確なビジョンと方向性を示すことで、影響力を持ちます。リーダーシップの下に参加者を惹きつけます。
- クリエイティブ戦略家は、自由な発想と創造性を活かし、斬新なアイデアでコミュニティを彩り、魅力を引き出します。独自の世界観をアピールし、多様な参加者を集めます。
- ノーマライザー戦略家は、繊細な分析力と安定性を活かし、長期的な計画を立てながら、参加者一人ひとりのニーズに寄り添い、調和を生み出します。
勧誘方法の柔軟性
このコミュニティでは、各メンバーが自分のペースで参加できることが魅力です。無理に関わりを強制せず、自然に価値観が合う人々が集まるように設計されています。
運営者は、コミュニティ内で調和と成長を促す環境を整えながら、メンバーの自由を尊重し、勧誘方法も柔軟に対応します。
教育
ハーモナイザーコミュニティの教育カリキュラムは、「何もしない」というシンプルな理念に基づいています。メンバーが何か特定の目標やプログラムに縛られるのではなく、共に過ごす時間を増やすことが最も重要です。
メンバー同士が自然に時間を共有し、対話や交流を通じて勝手に関係が育まれることで、教育システムが徐々に形作られていきます。特別な教育プランや目標設定をする必要はなく、メンバーはただコミュニティの流れに身を委ねるだけでよいのです。これにより、自然な調和と共感が生まれ、学びの場が勝手に形成されます。
時間の共有が鍵
教育の基本は、メンバーが共に過ごす時間を最大限に増やすことです。特定のテーマを決めた勉強会やワークショップを積極的に開催するのではなく、ただ同じ空間にいることや、会話や雑談を楽しむことが大切です。中途半端にセミナーや勉強会をするなら、食事会やバーベキューを企画する方が上手く行きます。
流れに身を委ねる
ハーモナイザーの教育では、メンバーが積極的に何かを「学ぶ」や「教える」ことに焦点を当てるのではなく、コミュニティのリズムや流れに身を任せることが望ましいです。主体的な行動を求めるよりも、自然な関係性の中で学びが進展していくという姿勢が大切です。
これにより、メンバーは自分自身のペースで、必要なときに必要な知識やスキルを手に入れることができます。
自然発生的な教育の価値
このような「何もしない」スタイルの教育は、表面的には非生産的に見えるかもしれませんが、実際にはメンバー間の信頼と共感を深める強力な仕掛けです。計画的な教育よりも、自然なコミュニケーションや時間の共有が、メンバーにとって心地よく、深い学びを提供します。
定着
ハーモナイザーコミュニティにおける定着のポイントは、他者に強制しないことにあります。このコミュニティでは、逆に、メンバーが自然に「また参加したい」と思えるような環境を作ることが大切です。キーワードは安心感です。
特に大切なのは、トップ自身が参加者との関係を深めることです。トップが参加者と真摯に向き合い、コミュニティに存在する意味を感じてもらえるようなつながりを育むことで、参加者は居心地の良さを感じ、自然とコミュニティに戻ってくるでしょう。
成功の基準は、「時々参加しよう」と思ってもらうことです。頻繁に参加することが求められているわけではなく、ふとした瞬間に「また顔を出してみようかな」と感じてもらえれば、それがこのコミュニティにおける勝利です。強制することなく、ゆったりとしたつながりの中で、参加者が自らのペースで定着するのがハーモナイザーの理想的な形です。
主催者
理想の状態
理想的な状況下では、このコミュニティは真の意味での「共同体」として機能します。メンバー間で自然な助け合いが日常的に行われ、それが当たり前の文化として根付いています。
例えば、ある会員の事業が苦境に陥れば、他のメンバーが自発的にアドバイスや協力を申し出るといった具合です。
Habitat for Humanityは、住まいを提供することで貧困の循環を断ち切ることを目指すNPOです。この組織は、コミュニティ内での助け合いを非常に重視しており、家を必要とする家族を支援するだけでなく、建設作業にボランティアが参加し、住民同士が助け合う文化が根付いています。たとえば、ある家族が住宅建設に困難を感じている場合、他の家族やボランティアが手を差し伸べ、共同作業によって問題を解決します。
さらに、この協力的な雰囲気から、新たなビジネスの協業が生まれることも珍しくありません。異なる専門性を持つメンバー同士が、互いの強みを活かした新規プロジェクトを立ち上げるなど、創造的な相乗効果が生まれています。
この状態では、メンバー間で強い信頼関係と相互理解が築かれています。各人の個性や価値観の違いを認め合い、それを尊重しながら協力し合う文化が確立されているのです。結果として、このコミュニティは単なるビジネスネットワーク以上の、精神的なつながりを持つ「家族」のような存在となっています。
不均衡な状態
時が経つにつれ、コミュニティの理念と個人の利害が衝突し始める可能性があります。発足期は共通の価値観で結ばれていても、次第にメンバーが増えると、各自が個人の利益を優先するようになるため、ほころびが生じます。
例えば、長年政権を握り続けている某政党のように、理念よりも既得権益の維持が優先される動きが生まれます。建前上は「国民のため」と唱えながら、実際は自身や支持基盤の利益を最優先する議員が増えていくような状態です。すると、 コミュニティ内では、「みんなのため」という言葉が、実質的には特定のメンバーや小グループの利益を意味するようになってしまいます。
新規メンバーの意見が軽視されたり、長年のメンバーが特別扱いされたりと、平等性が失われていきます。
何も手を打たないと、コミュニティの根幹にある「互いを認め合い、助け合う」という理念が形骸化し、表面的には調和を保ちつつも、内実は個人主義的な集団へと変質していきます。
崩壊寸前の状態
リーダーが個人主義や利益至上主義に傾倒すると、コミュニティの理想と現実との間に大きなギャップが生じ、その結果、コミュニティは急速に崩壊の危機に陥ることがあります。
リーダーが掲げていた価値観や理想と異なる方向に進んでしまうと、メンバーとの間に不信感が生まれ、調和や共感を基盤としたコミュニティの一体感が失われてしまうのです。
個人主義や利益至上主義に傾倒したリーダーが原因で崩壊の危機に直面した実際の例として、WeWorkの事例が挙げられます。
WeWorkは、シェアオフィスの提供を通じて、共同作業やコミュニティの力を強調したビジネスモデルで急成長しました。創業者でありリーダーのアダム・ニューマンは、当初、会社の理念として「コミュニティの創造」や「社員の幸福」を掲げていました。しかし、次第に彼の個人的な利益や権力への追求が目立つようになり、会社の方向性が変化していきました。
ニューマンが会社資産を個人的に利用したり、利益追求のために不透明な意思決定を繰り返したことで、会社の本来のビジョンと現実の運営方針の間に大きなギャップが生じました。その結果、投資家や社員の信頼を失い、WeWorkは上場を取りやめ、ニューマン自身もリーダーの座を降りることになりました。
WeWorkの例から学べることは、リーダーが個人的な利益を優先しすぎたために、当初の理念やコミュニティ志向が失われ、組織全体が崩壊寸前にまで追い込まれた典型的な事例です。